教習とバラの日々
テレビドラマが結構好きで今でもよく見るのだが、最初面白くても途中からダレてきて、最終回がどんな結末だったか思い出せない作品がすごく多い。近年のドラマは1クール3ヶ月、10回くらいで完結するものがほとんどで、世界観の作り込みが充分でないせいではなかろうか。
子供の頃、「最終回」といったらもう絶対に見逃せない一大イベントで、「俺たちの旅」や「飛び出せ!青春」に「熱中時代」、あるいは「天才バカボン」だろうと「あしたのジョー」だろうと、ブラウン管の前に正座して、「泣く準備」をして待ったものだった。
やはりドラマが一年くらい続くものだと、途中で別の脚本家が入ったり、チェンジアップのような実験的な回もあったりで、ドラマの世界観に深みを与えていた。
主人公との別れは、まるで親友との別れのように感じられて胸を熱くした。やはり3ヶ月10回程度だと感動が薄い。
この教習所生活も、たった半年足らずであるから別れに涙するほどではないものの、一抹の寂しさはある。お世話になった事務員さんにはありがとうございましたと心からの感謝を告げ、帰りのバスに乗り込んだのだった。
あと2時間補習するかと言われたら、いやぁーさすがにごめんだけどね。
卒業式の最後に教官から「ラッキーですね、今月卒業の人は特別にSDカードがもらえま〜す!」と言われ、受け取りの印鑑を求められた。
????SDカード??何ギガバイト?サンワサプライとかの?一体何の関係があるんだろう?と疑問に思ったウブなジミーは、
「何のSDカードですか??」
と手を挙げて質問してしまった。教習の日々は終わったが、一人前の男にはまだなれそうもない。免許があれば酒抜きでバラ色の日々が訪れるのだろうか?
(第一部おしまい)