危険なアイツ

危険なアイツ

「いっぱい付いてますよ」

 えっ?何何っ??

 教習生は教官の一挙手一投足が気になるものだが、卒業検定中に教官から話しかけられたらもう緊張で漏らしそうになる!

「ほら左手に」

 ふとハンドルを持つ自分の左腕を見ると、着ているGジャンの腕に無数の「ひっつき虫」が付いている!さっき運転交代で車を降りた時、路肩に生い茂った雑草に擦れて付いたのだろう。いや、こんな時にひっつき虫なんかどうでもいいんですけどぉ!( ̄▽ ̄;

 信号待ちの間に教官と自分で腕に付いたひっつき虫は取り払ったが、ひとまず減点でなくてヨカッタ(^^;

 気を取り直して運転再開、すると横断歩道でもない場所で道路工事の作業員が道路中央に歩いてきて、センターライン手前で立ち止まった。おいおい何すんねん!こちらを見ながらじっと立っていたのでそのまま通過した。あれは減点になったかもな。

 それからは調子を取り戻し、路上ではジミー的にも納得の運転ができたように思う。

 三番目の教習生と運転を代わり、無事に路上での検定終了。教習所に戻り、最後に方向変換左バックの試験だが、これもなんとか引っかからずに出ることができた。これにて検定終了!

 教官からの講評で、「ジミーさん、危険なところがありましたね」と指摘があった。例の工事作業員だ。「一旦停止して横断を待つべきだった」と。作業員が横断するかどうか不明で、何もない道路の真ん中で、こちらをガン見で突っ立ってたので危険なしと判断したが停止すべきだったか。

 ロビーでおよそ1時間後の合格発表を待つ。手応えはあるが、ひょっとしたらと不安にもなる。

 「ただいまから卒業検定の合格者を発表します」との場内アナウンス。結果はロビーのテレビモニターに教習生番号で表示されるのだ!!!

(つづく)

Jimmy Jazz