正攻法で勝て!
なんでもかんでも世間一般と違うことを言いたがるのは、「オレは他とは違う、そこらへんの奴らとは違うんだ!」というアピールに他ならない。裏を返せば、「正攻法で勝てないから奇襲法でなんとかできないか」と、もがいてるだけ。要するに実力不足なのである。そもそもジャズなんか聴こうなんて奴は概ねそんなはぐれ者ばかりだ(偏見)。
還暦を目の前にした今の今まで自動車免許を取らなかったのも、きっと正攻法で勝てないコンプレックスがあったんだと正直に白状しよう。
さて、ついに教習所の卒業検定の日がやってきた!教習生活に約半年もの歳月を費やしてきたが、いよいよ決戦のとき、検定は火曜と土曜にしか行われないため火曜の今日は休みをとった。
ちなみに第一段階の修了検定も半日休みを取ったのだが、午後JimmyJazzへ散髪に来た何人もの顧客に「午前中なんで休んでたの?」と聞かれて、「ちょっと免許の書き換えに」と言ってお茶を濁した。書き換わるだからあながち嘘ではない(^^;
本日検定を受ける教習生はMT2名とAT3名の合わせて5名。2台に分かれて受験する。事前にくじ引きで、縦列駐車、方向変換右バック、方向変換左バックの三つのうち一つが決められるが、わたしは左バックが当たった。これに限っては路上運転が終わったあと教習所内で審査される。
わたしはもちろんAT3名のグループで、二番目に運転する。一人約20分の道のりだ。
トップバッターはおとなしいポニーテールのお嬢さん。方向確認の動きから几帳面な性格が見て取れる。最初の100メートルは慣らし運転区間で失敗してもノーカウントだが、100メートルを超え、次の信号を左折しようというとき
「あかん!危ない!」教官の急ブレーキがかかった!
緊張からだろうか、なんと赤信号で交差点に侵入してしまったのだ。
ご存知のとおり、教官に補助ブレーキを踏まれてまうと即検定失格である。かわいそうにポニーテール嬢はこのあと約20分ほどの検定コースを失格と知りながら運転することになる。
初っ端からどんよりとしたムードが車内に充満していた。
(つづく)