愛のように大胆に
エクスペリエンスといえば、わたしの葬式には是非ともジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンスの「Bold As Love」をかけて欲しいとリクエストしておこう。自動車事故で死ぬのはごめんだが、ジミヘンのギターソロで昇天できたらさぞかし気分がいいだろうな。この曲は「愛のように大胆に」という変わったタイトルだが、何かの本で「男性は(恋愛に限ってだけ)ほんの些細なことでもポジティブに変換して考え大胆になるが、女性は(私なんて)とネガティブに捉える傾向がある」と書いてあるのを読んで、なるほど、男性が逃げる女性を追いかける構図はこうして作られるのだなとひどく納得したものだった。
さて、わたしの運転も愛のように大胆であるがゆえ、なかなか第一段階見極めOKのハンコを教官が押してくれない。これぐらい余裕で大丈夫だろうと思っても、教官はなかなか首を縦に振らないものである。教習所内を周る第一段階は(二輪免許ありの場合)最短10時間で仮免試験となるが、すでに2時間超過している。超過3時間目の教習を終え、教官の顔色を窺うと「どうされますか?(仮免検定試験前に)もう少し練習しますか?」と言われた。いやいや、教官どの、練習したらその分(1時間5500円)追加になるんでしょう?もういいです。検定受けさせてください。こうして満面の笑みではなくやむなしの顔で教官は「みきわめ良好」の判を点いたのだった。
いよいよ仮免検定の日がやってきた!いや〜キンチョーする!!プロポーズの時でもこんなに緊張せんかったぞ!検定試験で同じ教習車に乗るのはベトナム人の青年グエン君。先行はグエン君だ。ちなみにベトナム人はグエン姓がやたらと多いらしく、わたしの知り合いのダンサーの女の子もグエンちゃんだ。韓国人のキムさんみたいなもんか。グエン君はきびきびとサイドミラー、目視後方確認をこなし、S字クランクも脱輪などなく成功。次はわたしの番だ。愛のように大胆なわたしは、左折の際にハンドルに力が入りすぎてふらつくとよく注意されてたので、後方確認を慎重にやったつもりだが、やはり後から試験官に指摘された。「落としたいと思ってる試験官はいない」という言葉を信じて発表を待つ。結果は見事合格!グエン君も合格でお互いGOODサインで健闘を称えた。仮免取得だ、ああ嬉しい!これでいよいよ次から路上に出るぞ!
(つづく)