ペーペードライバー
社会人として半人前のペーペー、「まだまだ一人前とは言えない、修行が足りてない、頼りない兄ちゃん」、30年前から全く変わってない自己認識だ。ぼちぼち同年代の人たちから定年退職や老後の話を聞くにつれ、いやちょっと待て、半人前のまま還暦を迎えるのは人としてどうなんだ?と焦りが出てきた。必要ないといえばそれまでだが、普通免許を持ってないというのも半人前的といえば半人前的である。
さて、皆さんにとっては免許を取るなんて珍しくもなんともないのだろうが、還暦目前で半人前のオッサンが、いま教習所に行くとどうなのか。
教習所に着いた。まず入所時に決めなくてはいけないのが料金体系。ミッション車かオートマ限定か。料金的にはたった7150円の違いなので、今思えばミッションにしとけばよかった気もするが、ミッション免許にしたら絶対にややこしいミッション車が欲しくなるという自覚があったので、あえてオートマ限定とした。後々ミッション車を買ってしまうとオートマ免許の家族全員が運転できないからだ。
前もって数万円払っておけば技能時間が伸びても追加料金のかからない「安心パック」という制度もあるようだが、なぜだかわたしが申し込む際には全く説明がなくスルーされた。「40歳~:ご相談ください」と書いてあるのに。まあおそらく勧められても入らなかったと思う。
写真撮影と視力検査を終えると、
「ちょっとその場で屈伸してみて下さい」と若い女性の事務員さん。
屈伸??なんだなんだやぶから棒に?ははあ、年寄りだからひっくり返るかどうか見るのだな?クイクイっと。これでもおととしは富士山に登頂したんだぞ!と口には出さないが、老人扱いされて少しショックである。
朝から夕方までしか教習車に乗れないデイタイムプランと夕方以降も乗れるフリープラン、これもたった7150円の違いであるが、週一回、休日の午前中に行くためデイタイムプランを選んだ。急いで免許を手に入れるのが目的ではない。「習い事」感覚で先生に教わり、教習所通いを楽しむことが大事なのだから。
(つづく)